略語とこれまでの概要について

これは高校の教頭が女子高生に淫行した事件である。
なお、内容について使用する略語は、第1回公判第2回公判で説明しているため、
適宜参照願いたい。

これまでAとHについて尋問があり、もっぱらAはKとTMしたことが論じられた。
複数回LHに行き、行くたびにTMしていた。
AはKからHの生活保護のことで脅されていたし、
ご飯やら買い物でおごってもらっていたので、TMしないとKはすごく怖かった。
AはKとのTMはイヤイヤだったことなどが大まかな流れであった。

弁護側とのやりとりの概要

まず冒頭で弁護側は、被害者Aの陳述が信憑性がないとして弾劾証拠の提出を要求したが、
裁判所に却下された。
Kは県教委に9年勤めていて、
この事件が有罪であろうと無罪であろうと免職は必至だという旨語られた。
そして、KによるAの家族構成が説明された。

Hは3回の結婚歴があり、それぞれにおいて子供がいる。
AはHの2回目の結婚相手との子供であり、弟がいる。
また、1回目の結婚相手との間に長男がいるが別居していて、
3回目の結婚相手との間に妹にあたる身内がいる。

AはHの3回目の結婚相手である義父からDVを10年間受けていた。
Aは家事全般を担当していて、炊いたお米が義父の好みの固さではない場合、
義父から殴られるなどされて、大人に不信感や恐怖感を覚えていった。

HからもAは言葉の暴力を受けていた。つまり、義父に殴られるのはあんたが悪い、
という感じのもので、AはHに対しても不信感を抱いていった。
また、Hには刺青が腕や背中にあり、ヤクザ絡みの人たちの集会に参加するなど、
怖い一面もある。

結果、Aはすべての大人に対して恐怖感や不信感をいだくだけではなく、
精神的不安定、解離性障害などメンタルな病気を発症するようになった。
学校では教室を飛び出して戻って来なかったり、
校舎の屋上にある幅10数センチの壁に登って仰向けになったり、
命の危険を自らさらすようになる。

そんな中、Kは親身になってAの話を聞くようになる。
例えば、終業後の構内を一緒に見回りながら話をした。
H27年12月10日、Aが行方不明になり、Aに電話をしながらようやく見つけたが、
教師が生徒と電話番号を交換するなどあってはいけないことなので、
KはAと距離をおかないといけないと感じつつも、Aの命が心配だったので連絡を取り続けた。

Aとの電話は10時間以上になることもあり、
Aの「さみしい」や「死にたい」という相談に乗ることがほとんどで、
終業後のそういったやりとりは年齢的にKはしんどかった。

Aの家や構内で、Aと話すということはAの様子からは無理だった。
なので、学外で車で週に3〜4回連れ出しては、Aの相談に乗っていた。
終業後なので、深夜になることもあり、車の運転は危ないこともあった。
車でAにキスするとか、そんなことを思ったこともなく、
まして仕事が遅くまでかかったりして疲れていたのでそんな気分ではない。

さらにKの車種はトヨタのサイというもので、
運転席と助手席の間には隔たりがあり、
運転席も独立したような作りであるため、横を向いてキスするなどは物理的に不可能である。

H27年12月下旬〜H28年1月9日くらいに、
Aの遠距離恋愛の彼氏が戻ってくると連絡を受けたが、
以前から、Aは彼氏のことを親戚だと言っていた。
なお、この彼氏とAとはTMしたと聞いた。
彼氏がその地元に戻ったあと、
その明け方1月10日の朝2時ごろ、
AからKにSMSが来て「さみしい」や「彼が帰った」という内容だった。

このときKはまだ学校で仕事をしていたので、
朝4時ごろにAの家に車で行った。
朝4時まで仕事をしていたため、疲労感から車の運転が危険と判断し、
路側帯に車を止めて話をしようとした。

しかしAは路側帯は嫌だと言った。
理由は、
・車の中で2人でいるのが学校の人などに見られるかもしれない
・警察や不良に見られるかもしれない
というものだった。
結果的に、AからLHに誘われた。

免職が脳裏をよぎったが、
Aが白熱して過呼吸になったり、失神したりするといけないので、
LHに行った。LHでは話をして眠るだけだった。

H27年1月24日にも、AからSMSがあった。
内容はやはり「さみしい」など、いつもと同じ内容だった。
その日は朝2時にLHに入った。
コンビニの弁当を食べ、別々にお風呂に入った。
仕事で疲れている上に、年齢的にもTMする体力も気力もない。
まして、Aが生徒である以上、理念的にTMなど考えたことがない。

風呂に入ったのは、
・仕事が終わった後なのでさっぱりしたかった
・LH代は自分で払っているので元を取りたい
というのが主な理由である。

かなり長くなるので、
次回に続く。

個人的見解など

1時間半を超える弁護側からの質問のため、休廷するまで非常に長かった。
Kはとても頭がよさそうで、ハキハキと答えていた。
ただ、聞かれていないことまで答えていたのは愚かに感じた。
知識人によくありがちなことだが、ついつい自分の知識をさらけ出してしまうそれと似たようなものだ。

KはAのような生徒の対処の方法を過去に勉強していたそうで、
どう接すればよいのかを熟知しているとのことだったが、
それを悪用したから今回のことになったんじゃないのかとも思えた。

Kは免職を辞さない覚悟をしていたということだったが、
結局バレなければ今も続いていたかもしれない。
免職覚悟でLHに行くのではなく、親を交えて話し合える環境を構築していくべきだろう。

最後に、今日の法廷では、Kの関係者が多く傍聴していただけではなく、
Kは手錠をしておらず警察官も同行していなかった。
第2回公判では手錠+警察官だったのに。