前提と略語について
今回の公判はAの母親を証人としての尋問の内容である。
なお、内容について使用する略語は、こちらで説明しているため、
適宜参照願いたい。
法廷内では、壁で囲まれた証言台にAの母親が着席していた。
広島県内のテレビ、新聞各局が集まっていた。
また、今回の法廷では、Kの妻らしき人(以下、T)、
Aの母親(以下、H)の息子の嫁らしき人(以下、Y)も傍聴席に着席していた。
検察側とHとのやり取りの概要
Hがなぜ、KにAを完全に任せるほど信頼していのかというと、
Kは、生活指導の先生や担任の先生よりもAに親身になっていたからである。
例えば、Aの家庭では夫のDVがあり、Hが離婚するなどして荒れていた。
そんな中、Aはあまり話さなくなり、一人で夜に出歩くことも多くなった。
そういうときに、KはAを心配して探してくれた。
こういうことが何度かあり、HはKを他の先生とは違うと思い、信頼することになる。
Kを完全に信じ切っていたHは、AとKが夜2人で会うことになんら疑問を抱かなかった。
むしろ、Aのことを完全にKに任せていた。
KがAに接吻したり、LHに行ったりTMしたりなど全く想像もしていなかった。
また、HはYにAとKのことを相談していたが、
Yからも「今どき珍しく熱心な先生ですね」と、Yも賛同していたほどだった。
そして、AとKが山口に1泊2日の旅行に行くわけだが、
このことについてYは少々疑問に感じていたが、HからKはとても信頼できる旨聞かされ、
ビジネスホテルに泊まるということもあり、それならばと旅行には反対はしなかった。
入院していたAは、病院から外泊の許可をもらい、Kと2人で山口に旅行に行って帰ってきたが、
病院には帰らずYの家に泊まった。
その次の日に病院に行ったわけだが、その際にAのカバンからライターが落ちた。
ライターなど持つはずもないAがライターを持っていたことを疑問感じたYは、
ネットでライターのロゴマークを検索すると、LHのライターであることが判明し、Hに報告した。
これを受けて、Kに旅行中にどこのホテルに宿泊したのか確認すると、
Kはビジネスホテルだと答えた。
ライターが出てきた旨をKに伝えると、
Kは、ライターはホテルのロビーに落ちていたのを拾ったと答えた。
この時点ではHはまだKの言うことを信じていた。まさかなと。
しかし後日、家でHがうたた寝をしていると、電話で誰かと話しているのが聞こえ、
うっすら目を開けるとAがおそらくKと話しをしているようだった。
電話でKの名前を言っていたからである。
話の内容は、
「ゴムカバーをつけないで」や「子供が欲しい」というものだった。
Hは耳を疑い、ショックで体が動かなかった。
電話を終えたAに確認するのが怖くて聞けなかったので、HはYに相談した。
するとYは、興信所にAとKの素行調査を依頼してはどうかと言うので、
興信所に2人を調査してもらうことにした。
H28年2月20日から、AとKは2人で出かけた。Aはその日は帰って来なかった。
翌日の深夜、探偵から報告を受けた。何もないことを信じていたHであったが、
報告内容はその逆で、2人がLHに入ったというものだった。
この報告で頭が真っ白になりながら、Hはこのことを伏せてKにメールすると、
Kは、Aが路上で寝だして、なかなか起きなかったのでビジネスホテルに泊まったと答えた。
HはAとKがTMしていると思い、3月1日頃Yとともに海田警察に行った。
すると、担当者がいないとのことで、海田警察に追い返された。
その日の夜9時頃、HとYの2人でBに行き、Kに事実を確認することにした。
まずKに聞いたことは、
「今後Aをどうしていくのか」ということである。
すると、まともな大人になって、きちんと社会に出られるようになるまで、
一生付き合うつもりである旨を答えた。
H28年2月21日にAとLHに行ったのかと問うと、行っていないと答えたので、
興信所の報告書をKに見せた。(写真と時間が書かれた正式な報告書である)
この報告書を見たKは、
「車の中は見えない、自分は他の女性とLHに行った」と答えた。
これに対してHは「だとすると、その間Aはどこにいたのか」と問いただすと、
KはAとLHに行ったことを認めた。
Kは次のような言い分をした。
「一緒にいるときに、体調を崩したAを休めるためにLHに行った。」
しかし、当然納得しないHは、海田警察に行く旨Kに告げると、
Kは慌てて、ちょっと待つように答えた。
なお、この時点では、AはHにTMしたとは言っていない。
この翌日、海田警察からHに電話があり、Kのことを相談した。
しかし、このとき、HはAから、「AとKを守ってくれ」と言われた。
また、AはKから「Hを味方につけておけ」と言われていた。
なお、警察との詳細なやり取りは語られていない。
HはAとKを会わせないようにするために、AをPICUに入れた。
PICUだと、Aは家族としか面会できないからである。
3月4日Aは、PICUに入ったが、HはAからまだKとTMしたことを聞いていない。
PICUに入ってから、HはAに「Kと何かあったの?」と聞いたが、
Aは何もないと答えた。
その言動から、HはAがKをかばっていると感じたので、
Hは、2月21日にKとLHに行ってないのか、全部話して楽になりんさい、
Kをかばう必要はないよ、とAに優しく声をかけると、
Aは号泣して全てを話した。
Hが生活保護を受けていることをKから脅されていたし、
食事や買い物もお金を出してくれた。
TMしないと、Kは不機嫌になり、別人のように怖い顔になる。
また、2月21日の他にもKとは何回もTMとしたと答えた。
Aはこの話しをHにしたことによって、以前よりも明るくなり、
今までよりもよく話してくれるようになった。
Hとしては、Kは二度と教壇に立って欲しくない、許せない。
個人的な見解
検察によるHの尋問は約1時間だった。
尋問中、Kの妻Tは顔を伏せていた。まぁ当然だろう。
今後はAとKが本当にTMしたのかどうかが争点になるだろう。
しかしながら、Kはどういうつもりだったのだろうか。
バレないと思っていたのか。
結局のところ、Aを親身なって心配したのは、Kの作戦だったのか。
Aを奴隷にでもしたかったのか。
ちなみに、食事や買い物する場所と、Aの家と、LHの位置関係は、
LH ー Aの家 ー 食事(買い物)
となっていて、食事の後、LHに行くためにはAの家を通り過ぎる必要があるらしい。
Aが心配であれば、Aを家に送り届けるのがKの役割であろう。
KがLHに行くことについて、
疲れたから休憩するためではなく、意図しているはずである。
かなり長くなったが、弁護側の尋問は別記事にする予定である。